ボランティア活動報告

日本薬剤師会が募集していた東日本大震災薬剤師ボランティアに応募し、平成23年4月29日から5月5日までの期間、福島県いわき市で活動をしてまいりました。現地では「日本医師会災害医療チーム」(Japan Medical Association Team:JMAT)に同行し、避難所となっている公民館、体育館、小中学校などを巡回しました。また、各団体から送られた医薬品(医療用医薬品、一般医薬品)、医薬部外品等の仕分け、在庫管理などを行いました。

現地の様子

震災発生からおよそ1ヶ月半が経っていたためか、いわき市街地では瓦の落ちた家屋や道路の所々に亀裂・段差が見られたものの、復旧はかなり進んでいました。しかし、沿岸部(写真は新舞子ビーチ)では辺り一面が津波に流され瓦礫の山となったままの地域もありました。

それは目を逸らしたくなるような悲惨な光景でした。避難所にはこのような地震、津波による被災者と福島第一原発から避難している方々がいらっしゃいました。

避難所の様子

避難所は家族単位で段ボールによりセパレートされている所(写真のように、セパレートされてはいても、立って歩けば中が見えてしまいます)、されていない所、敷布団がなくシートに毛布を敷いただけの所と環境は様々でした。また、我々が巡回した避難所のいくつかでは仮設トイレを使用していました。

避難所での活動

避難所で体調不良を訴える方をJMATの医師が診察し、薬が処方される場合はその場で調剤、交付および服薬説明、併用薬の確認を行いました。持参する医薬品はリスト化されており、その中から調剤しなければならないため、医師の希望する医薬品がない場合は、リストから代替薬を提案し処方していただきました。 避難所では下痢嘔吐、風邪の方が多く、医師の診察への同行だけでなく薬剤師ならではの活動、例えば衛生管理や一般用医薬品の供給といった面でも活動できれば良いなと感じました。

ボランティア活動を通じて…

避難所は決して良い環境ではありません。避難所の方々は肉体的にも精神的にもストレスの多い生活をされております。そんな状況にも関わらず診察を受けた方、お薬をお渡しした方は「来てくれてありがとう。助かりました。」と声をかけてくださいました。 東北の方の我慢強さ、心の豊かさに胸を打たれました。しかしながら、漁師の方の「ここら辺で魚を取っても放射能汚染の風評被害で売れはしない」というお話、福島第一原発避難区域内で農業を営まれていた方の「地元に戻っても土壌汚染で農業は続けられない、どうすればいいのだろうか」というお話もお聴きしました。少しずつ復旧が進む一方で、先の見えない大きな不安を抱えている方もたくさんいらっしゃいます。

我々薬剤師に崩れた建物を直すことや放射能汚染を取り去ることはできません。我々にできることはまさに薬剤師法第1条に記載されていることであり、大災害時にやるべきことは多くあると感じました。今回の活動を通じて「やれて良かったこと」もありましたが、「他に何ができたか」を考えることの方が重要であると感じました。少し大げさかもしれませんが、この経験を基に「今後、薬剤師はどのように社会に貢献していくのか、そのためには何が必要であるか」を常に考えながら日々の業務を行おうと思いました。

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